2014年1月12日日曜日

テクニックの来歴

前回は2ウェイ・インディペンデンスについて書きました。
リニアな手順をとりあえず網羅するとやりやすいということも書きました。

スティック・コントロールの本(というか『Stick Controll』)とかは端的にそうですが、実際に使うフレーズとか、曲の中とかそういうコンテクストから切り離して、まずなるべく小さくバラバラにしたパーツを練習する。順列組み合わせを尽くす(たとえばRLRRLRLLをやったらRRLRLLRLもRLLRLRRLもRLRLLRLRもやる。それぞれ左右逆もやる)。
楽器の習得には少なからずこういうところがあります。
メロディ楽器だったらスケール練習とか。ロングトーンとか。
味気ないといえば味気ないし、誰でもそうやって習得する「べき」ということではありませんよね。
ただ、限られた時間でなるべく多様でしっかりしたテクニックを身につけるためには、結局これが近道みたいです。

自分は独学でパーカッションを始めたこともあって、テクニックの「穴を埋める」作業はかなり後からでした。
必要に応じて継ぎ足して、直して、今があります。


穴があれば埋めないといけないし、「これができるならこれもできなきゃダメだろ」的に増やしていかないと到底プロフェッショナルなレベルにはならないけど、ランダムにやってるわけでは全然なくて、最初の一歩のところはたいがい誰かのくれたきっかけがあります。
自分はレッスンというのもあんまりたくさん受けてきてないので、習ったやつというより、近くの人に憧れて真似したものが多いですね。
CDやビデオを観て真似したものもあるけど、そっちの比重はやや少なめなほうかもしれません。たぶん腰が重いんですね...近くで知り合いがやってるのを見ないと「俺もできなきゃ」ってならない傾向があります。

たとえば前回書いた2ウェイだと、片手シェイカーで片手叩くというのは、ニューヨークのQuenia Ribeiroのサンバクラスでドラマー全員が当たり前にできるので、こりゃいかんと思っておぼえました。
叩く×叩くは、武田マリさんのアフリカンダンスクラスで一緒に演奏してた木内祐輔くんがドゥンドゥン3つでやってたやつを、いくつか真似したのがけっこう基礎になってます。
木内くんは木内くんで、誰々がそういうスタイルで、その誰々に習った誰々がやってたのを見てこういうのを始めたんだ、と話してました。

テクニック自体は中立というか、四の五の言わずどれもこれも制覇しないといけないところはあるんですが、テクニックの伝わり方に人と人の歴史が織り込まれるのはすごく好きです。
「習う」というのは羽と羽を重ねるように手と手の動きが重なるところから来ているそうで。

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